中島敦(あつし)の短編小説。『文学界』1942年(昭和17)2月号に、短編『文字禍』とともに『古譚(こたん)』という総題の下に載る。同年7月、筑摩(ちくま)書房刊『光と風と夢』に収録。中島敦のデビューを告げる作品。原稿では前記2編のほか『狐憑(きつねつき)』『木乃伊(みいら)』をあわせ全4編で『古譚』を形成。ともに古代世界を舞台とし、尋常ならぬできごとが展開する短編である。芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)の再来という評もあった。ことに『山月記』は、中国唐代の伝奇『人虎伝(じんこでん)』を素材として、「詩をつくること」にとらわれてしまった人間李徴の劇的な運命を、虎(とら)と化しながらなお人間の心をもつという臨界状況の下に描く佳作である。
[佐々木充]
『『李陵・山月記』(新潮文庫)』▽『『李陵・弟子・山月記』(旺文社文庫)』
外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...
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