精選版 日本国語大辞典 「山芋・薯蕷」の意味・読み・例文・類語
やま‐の‐いも【山芋・薯蕷】
〘名〙
① ヤマノイモ科のつる性多年草。日本特産で、本州・四国・九州の山野に生える。茎は他物に左巻きにからむ。塊根は長円柱形で長さ一~二メートル。葉は長柄をもち対生し、葉身は長卵形で基部は切れ込む。葉腋にむかごを生じる。雌雄異株。夏、淡黄緑色の単性花を穂状につける。果実には三個の翼があり房状に群がってつく。塊根とむかごを食用にする。中国原産で栽培されるナガイモに対し、ヤマノイモ、ジネンジョと呼ばれる。漢名に薯蕷を用いるが、正しくはナガイモの名。じねんじょう。やまいも。やまついも。《季・秋》 〔十巻本和名抄(934頃)〕
※古今著聞集(1254)二〇「山のいもをふかく堀入て、穴におちいりて、えあがらずして死たるなめり」
③ (山の手に住んでいたところから、「山」に掛けていう) 侍をののしっていう。
※洒落本・突当富魂短(1781)「なんだ、山のいもめらばかりがだいじか」
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