デジタル大辞泉
「山谷」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
さんや【山谷・三谷・三野】
- [ 一 ] 東京都台東区北東部の旧地名。現在の日本堤・清川・東浅草の一帯にあたる。明暦三年(一六五七)江戸元吉原が火災にあい、代地の浅草日本堤(千束四丁目)に移るまでの間、この地で営業を許されたところから、移転後の新吉原遊郭をさしていうこともある。
- [初出の実例]「三谷(サンヤ)といふ所なり。そのかみ吉原といへる傾城町を、明暦三年の五月に、ここにうつし給へりといふ」(出典:仮名草子・東海道名所記(1659‐61頃)一)
- [ 二 ] 「さんやぼり(山谷堀)」の略。
- [初出の実例]「かへる舟さんやのかしへ入歯をし」(出典:雑俳・柳多留拾遺(1801)巻一四下)
さん‐こく【山谷】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙
- ① 山と谷。また、山間にある谷。
- [初出の実例]「山谷幽閑秋霧深。朝陽不レ見幾千尋」(出典:新撰万葉集(893‐913)上)
- [その他の文献]〔史記‐魏世家〕
- ② ( 黄山谷(黄庭堅(こうていけん))が愛したというところから ) 植物「らん(蘭)」の異名。
- [ 2 ] 中国、宋代の詩人・書家の黄庭堅の号。また、その著作である「山谷集」をいう。〔易林本節用集(1597)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 
普及版 字通
「山谷」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
Sponserd by 
山谷
さんや
第二次世界大戦後、急激に拡大した清川・日本堤一帯に広がる日雇労働者の集まる地域。第二次世界大戦前からすでに多くの「木賃宿」が密集しており、産業・土木・軍需などに応ずる日雇労働者の一大供給地域であった。昭和二一年(一九四六)末からは当時「浮浪者」などとよばれた戦争の被害者が上野地下道などからしばしば強制的に収容され、これを契機にさらに同二四年頃から簡易旅館とベッド・ハウスの建設が始まって、日雇労働者が集まる「ドヤ街」が急激に拡大。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
Sponserd by 
山谷
さんや
東京都台東区(たいとう)北東部の旧地名。三谷とも書き、現在の東浅草2丁目、日本堤(にほんづつみ)1~2丁目、清川1~2丁目の地区にあたる。旧奥州街道沿いの地域で、道路が3条あって三野といった。また古く民家が3軒あったことなどが地名の由来という。一帯は隅田(すみだ)川右岸の低湿地で、三ノ輪(みのわ)付近から流れる音無(おとなし)川は山谷堀となって隅田川に注ぐ。山谷堀を猪牙(ちょき)舟でこいで吉原へ遊びに行くのが江戸町民の楽しみであった。山谷堀の下流に待乳山聖天(まつちやましょうでん)がある。玉姫稲荷神社(たまひめいなりじんじゃ)のあたりは多くの簡易旅館(木賃(きちん)宿)ができ、ドヤ街として知られてきた。その北方、山谷の北端が泪(なみだ)橋で、小塚原(こづかっぱら)に送られる罪人と縁者との涙の別れ場所であった。現在、この地区は製革業者などの多い商工住の混合地域である。
[沢田 清]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
Sponserd by 
山谷【さんや】
東京都台東区,清川・日本堤・東浅草各町にまたがる地区。江戸時代は奥州街道沿いの木賃宿密集地であった。第2次大戦後日雇労働者が集中,東日本最大の簡易旅館街となっている。
→関連項目浅草
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
Sponserd by 
山谷
さんや
東京都台東区北東部の旧町名。現在の清川,東浅草,日本堤の各一部にあたる。古くから山谷または三谷の字を用い,江戸時代以後は山谷村と称した。堀の南には明暦の大火後に日本橋吉原から移った新吉原があって,山谷堀は舟運でにぎわった。現在は簡易旅館が集中している。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
Sponserd by 
世界大百科事典(旧版)内の山谷の言及
【三谷】より
…ほかに明治時代に神保(じんぼう)政之助が編曲した《神保三谷》《三谷巣籠(すごもり)》もよく知られ,前者は九州系では《奥州薩慈(おうしゆうさし)》と呼ばれる。文字遣いも三谷のほかに山谷,山野,産安,佐山などの字も当てられ,産安の場合には安産祈願の意味も付会されている。曲名の語源については,梵語のsamaja(集会)の意とか,三昧の転化とか,曲中の3ヵ所の高音(たかね)(高音域旋律部分)が三つの谷にこだまする意など諸説ある。…
※「山谷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
Sponserd by 