日本大百科全書(ニッポニカ) 「岡本潤」の意味・わかりやすい解説
岡本潤
おかもとじゅん
(1901―1978)
詩人。埼玉県本庄(ほんじょう)市に生まれる。東洋大学在学中よりアナキズムに関心を抱き、大杉栄らの北風会、日本社会主義同盟に参加。『シムーン』を経て、1923年、壺井繁治(つぼいしげじ)、萩原恭次郎(はぎわらきょうじろう)らと『赤と黒』を創刊。詩の革命に狂熱的な詩壇のテロリストとして活躍。『ダムダム』『文芸解放』『解放文化』『詩原』『文化組織』と、戦前はアナキスト詩人の中心的存在。戦後はコミュニズムに転向。1946年(昭和21)『コスモス』を創刊。詩人の戦争責任をめぐって吉本隆明と論争。児童詩運動にも指導的役割を果たす。詩集『罰当りは生きている』(1933)、『橋』(1955)、『詩人の運命――岡本潤自伝』(1974)がある。
[千葉宣一]
『『岡本潤全詩集』(1978・本郷出版社)』