岡村島(読み)おかむらじま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「岡村島」の意味・わかりやすい解説

岡村島
おかむらじま

愛媛県北部、芸予諸島にある島。今治(いまばり)市に属す。今治から船便がある。大三島大崎上島大崎下島に囲まれ、東西3キロメートル、南北2キロメートルの三角形をなし、面積3.13平方キロメートル。大崎下島とは、中ノ島、平羅島経由で岡島大橋などによって結ばれ、陸路で本州(広島県呉市)に通じている。古代から斎灘(いつきなだ)の海上交通要衝で、観音崎(かんのんざき)、岡村に村上水軍の城砦(じょうさい)がある。水軍の子孫が松山藩主に山番を命ぜられ、島への定住が始まった。ミカン栽培、漁業が主産業。人口482(2009)。

[深石一夫]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岡村島」の意味・わかりやすい解説

岡村島
おかむらじま

愛媛県北部,芸予諸島を構成する島の一つで,今治市に属する。旧松山藩領。西側は狭い海峡を挟み広島県の大崎下島に対する。明治以来ミカン栽培が発達し,昭和になって生産が急増。南予の立間,中予の中島とともに愛媛みかんの三大産地といわれた。島の西斜面では,対岸の大崎下島の大長 (おおちょう) の人々によりミカン栽培が行なわれている。南端の観音岬は参勤交代の際のろしを上げた場所といわれ,瀬戸内海国立公園に含まれる景勝地。面積 3.11km2。人口 648 (2000) 。

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デジタル大辞泉プラス 「岡村島」の解説

岡村島

愛媛県今治市、波方町大角鼻から北西約7.5キロメートルに位置する島。大崎下島の東、大崎上島の南に位置する。面積約3.13平方キロメートル。江戸時代には風待ち・潮待ち港に利用された瀬戸内海の船の交通の要衝。ミカン栽培が盛ん。島南西部の観音崎には史跡・名勝が多く、瀬戸内海国立公園に指定されている。

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世界大百科事典(旧版)内の岡村島の言及

【関前[村]】より

…人口1009(1995)。瀬戸内海の芸予諸島に属する岡村島,大下(おおげ)島,小大下(こおおげ)島の3島からなり,北および西に広島県大崎上島・下島が隣接し,岡村港は今治~宇品(うじな)の定期船寄航地である。3島とも低地に乏しく,おおむね花コウ岩からなり,ところどころに石灰岩層が露出する。…

※「岡村島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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