朝日日本歴史人物事典 「岡魯庵」の解説
岡魯庵
生年:元文2(1737)
江戸中期の儒学者,漢詩人,儒医。大坂生まれ。名は元鳳,字は公翼,通称は元達。号は魯庵,慈庵,白州,澹斎。幼くしてよく唐本を読み神童と称され,長じて医を業とした。菅甘谷の門に学び,詩文を能くし,一篇出ずるごとに伝誦せられた。片山北海が混沌社を結んだとき,社中の葛子琴と並んで詩句の警抜を以て喧伝せられた。また物産学を嗜み,庭に小圃を設け,常に薬草を雑植した。著書に『詩経品物図考』『離騒名物考』『香橙窩集』がある。『香橙窩集』は,江村北海が「句法格調古人に類し,今世の得易き属に非ず」と評した。
(水田紀久)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報