島台(読み)シマダイ

デジタル大辞泉 「島台」の意味・読み・例文・類語

しま‐だい【島台】

婚礼その他のめでたい儀式のときの飾り物州浜の台の上に松竹梅を作り、これにじょううばを立たせ、鶴・亀などを配したもの。蓬莱山ほうらいさんをかたどったものといわれる。

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精選版 日本国語大辞典 「島台」の意味・読み・例文・類語

しま‐だい【島台】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 婚礼や供応などの時の飾り物。州浜台の上に松・竹・梅などを飾り、鶴・亀を配し、尉(じょう)・姥(うば)を立たせたりしたもの。蓬莱山(ほうらいさん)を模したものという。しま。
    1. 島台<b>[ 一 ]</b>〈武家義理物語〉
      島台[ 一 ]武家義理物語
    2. [初出の実例]「さもいつくしきしまだいを持せ、君の御ぜんに参りつつ」(出典:浄瑠璃・今川物語(1663)一)
  2. [ 2 ] 地唄・長唄・うた沢などの題名。いずれもめでたい内容を持つ祝言物。

島台の補助注記

一説に、中国の春分の日に食物を盛る「春盤」の影響を受け、正月に、米・餠・ミカン・昆布海老干し柿・かち栗などをのせ、飾りもので美しく飾っていたものが、婚礼や供応に用いられるようになったともいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「島台」の意味・わかりやすい解説

島台
しまだい

島形とも州浜(すはま)形ともいい、婚礼などのときに飾る縁起物。島の形をした脚付きの台に肴(さかな)を盛り、箒(ほうき)と熊手を持った高砂(たかさご)の尉(じょう)と姥(うば)(男女の老人)や、松竹梅や岩を配した飾り台である。現在は肴のかわりに羽二重(はぶたえ)、紅絹(もみ)などの布地や、兵児(へこ)帯などの呉服(ごふく)物で飾り付けるものもある。正月に鏡餅(かがみもち)の古形として、三方(さんぼう)に米を盛ってツルシバを飾り、餅、ミカン、昆布、エビ、干し柿(がき)、かち栗(ぐり)などをのせた、お手かけ、食積(くいつみ)、蓬莱(ほうらい)などとよばれるものと一連の飾りで、縁起を祝って婚礼の席にも使われるようになったのであろう。中国の春分の日に食物を盛り供える春盤の影響を考えることもできよう。

[井之口章次]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「島台」の意味・わかりやすい解説

島台
しまだい

客の接待や婚礼の儀などに用いる飾りの台の物。古くは島形といい,蓬莱をかたどった島形や洲浜形 (→洲浜 ) などがある。台上に肴を盛り,祝儀には松竹梅,鶴亀,尉 (じょう) ,姥 (うば) を配して飾りとする。さらに古くは,宮中などで草合 (くさあわせ) ,花合,根合など歌合の遊戯の際,その合せ物を載せたという。

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改訂新版 世界大百科事典 「島台」の意味・わかりやすい解説

島台 (しまだい)

州浜(すはま)

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食器・調理器具がわかる辞典 「島台」の解説

しまだい【島台】

婚礼などの祝儀の宴席などに用いる飾り台。州浜(すはま)(海に突き出た州のある浜辺)をかたどった台の上に松、竹、梅や鶴(つる)、亀(かめ)などを配したもの。蓬莱山(ほうらいさん)を模したものとされる。

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百科事典マイペディア 「島台」の意味・わかりやすい解説

島台【しまだい】

州浜

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世界大百科事典(旧版)内の島台の言及

【州浜】より

…祝儀の飾物,および和菓子の名。飾物の州浜は州浜台の略で,島台とも呼ぶ。出入りのある浜辺をかたどった台で,これに松竹梅,鶴亀,尉(じよう)と姥(うば)などの作り物を配して,婚礼,正月その他祝儀の席に飾った。…

※「島台」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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