差し離る(読み)サシハナル

デジタル大辞泉 「差し離る」の意味・読み・例文・類語

さし‐はな・る【差し離る】

[動ラ下二]
離れる。隔たる。
「住み馴れし所を―・れて」〈浜松・四〉
関係・血縁が薄くなる。
「さすがに―・れたる人ならばともかくもすべきに」〈落窪・一〉

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精選版 日本国語大辞典 「差し離る」の意味・読み・例文・類語

さし‐はな・る【差離】

  1. 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 ( 「さし」は接頭語 )
  2. 離れる。へだたる。また、気持が離れる。うとくなる。
    1. [初出の実例]「車を給へといひたれば、さしはなれたる廊の方に、いとようとりなししつらひて」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
  3. 血縁関係が離れる。
    1. [初出の実例]「さすがにさしはなれたる人ならば」(出典:落窪物語(10C後)一)
  4. 技量などが格段に違っている。飛び抜けている。
    1. [初出の実例]「さしはなれて堪能とはいはれがたきか」(出典:正徹物語(1448‐50頃)下)

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