差押(読み)さしおさえ

精選版 日本国語大辞典 「差押」の意味・読み・例文・類語

さし‐おさえ ‥おさへ【差押】

〘名〙
特定の有体物または権利について、私人の事実上または法律上の処分国家権力によって禁止する行為。特に民事執行法上、金銭債権についての強制執行として、執行機関が債務者の財産の事実上、法律上の処分を禁止して、これを確保する行為。〔仏和法律字彙(1886)〕
金色夜叉(1897‐98)〈尾崎紅葉〉続「催促に行ったり、差押を為たりして居る乎(か)
② 行政法上、国税滞納処分の一段階として、滞納者の財産の処分を禁止して、これを強制的に確保する行為。
国税徴収法(明治三〇年)(1897)一一条「収税官吏滞納処分の為財産の差押を為すときは」
刑事訴訟法上の押収一種で、証拠物または没収の対象物と思われる物を強制的に取得する裁判、およびその執行。
刑事訴訟法(明治二三年)(1890)一〇七条「予審判事臨検捜索、物件差押に付き其日に処分を終らざるときは」

さし‐おさ・える ‥おさへる【差押】

〘他ア下一(ハ下一)〙 さしおさ・ふ 〘他ハ下二〙 (「さし」は接頭語)
① おさえて動かないようにする。押しとどめる。
② 差押えをする。〔仏和法律字彙(1886)〕
途上(1932)〈嘉村礒多〉「神楽坂署の刑事が来て、〈略〉残本を差押へて行った」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「差押」の読み・字形・画数・意味

【差押】さおう

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