ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「巻返し政策」の意味・わかりやすい解説
巻返し政策
まきかえしせいさく
rollback policy
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1953年1月27日、アメリカのダレス国務長官が提唱した対ソ強硬外交の一つ。ダレスはこの年発足した共和党のアイゼンハワー政府の国務長官に就任したが、かねてから民主党政権の「封じ込め政策」を手ぬるいと批判していた。つまり、武力以外のあらゆる手段を駆使して当時のソ連に攻勢をかけ、冷戦の主導権をソ連から奪い返すべきだと主張し、このため「巻返し政策」とよばれた。ダレスの対ソ強硬方針はさらにエスカレートし「大量報復政策」「瀬戸際政策」へと発展した。しかし現実には事態は平静に推移し、朝鮮戦争およびインドシナ戦争の休戦の実現、中立国オーストリアの成立、ジュネーブ四大国首脳会談の開催など、国際政治はダレスの言動とは裏腹の方向に進展した。
[藤村瞬一]
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