市川右団次(読み)いちかわうだんじ

精選版 日本国語大辞典 「市川右団次」の意味・読み・例文・類語

いちかわ‐うだんじ【市川右団次】

歌舞伎俳優。初世。屋号鶴屋のち高島屋。四世小団次の子。大阪南座の座頭(ざがしら)となる。所作事ケレンをよくし、翻訳物散切(ざんぎり)物に新生面を開いた。天保一四~大正五年(一八四三‐一九一六

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世界大百科事典(旧版)内の市川右団次の言及

【石山本願寺一揆】より

…一向一揆最後の抗争と顕如上人の事跡を扱い,浄土真宗の信者を観客として吸収する興行政策から,しばしば興行物として上場,成功をみた。ことに1880年10月大阪角座での《御文章石山軍記》(勝諺蔵作)は,顕如上人三百年忌を記念しての上演で,真宗信者でもあった主演の初世市川右団次(斎入)の当り芸となり,83年9月には東京春木座で再演し,東西本願寺の講中が団体観劇し,〈軍略見事に当り予想以上の景気〉(《続々歌舞伎年代記》)となった。配役は顕如・楠正具・鈴木孫市=右団次,鈴木飛驒守・柴田勝家=実川八百蔵,織田信長・孫市母紀の路=市川鰕十郎など。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」