市松文(読み)いちまつもん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「市松文」の意味・わかりやすい解説

市松文
いちまつもん

文様一種石畳文 (いしだたみもん) ともいう。白と黒などの濃淡の異なる同じ大きさの正方形を,1つおきに構成した文様。古くから世界各国で用いられ,日本では埴輪の人物の衣服正倉院宝物の染織品にも用いられている。平安時代以降,公家はこの文様を霰 (あられ) 文と呼び,武家庶民にも好んで使われ,能装束,漆工品,建築用具などにも広く用いられた。江戸時代の将軍徳川吉宗の時代に,江戸中村座の役者佐野川市松が袴の意匠文様に使用して歓迎され,流行したところからこの名が生じた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android