幢（読み）ハタホコ

デジタル大辞泉

はた‐ほこ【^×幢】

《「はたぼこ」とも》上部に小旗をつけた鉾ほこ。朝儀や法会で儀仗ぎじょうとして用いる。

どう【^×幢】

１ 昔、儀式または軍隊の指揮などに用いた旗の一種。彩色した布で作り、竿の先につけたり、柱に懸けたりした。はたほこ。
２ 魔軍を制する仏・菩薩ぼさつのしるし。また、仏堂の装飾とするたれぎぬ。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

どうダウ【幢】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 竿の先端に、種々に彩色した布でつくった旗をつけたもの。軍陣などの指揮や、儀式に用いた。はたほこ。
   1. [初出の実例]「天皇御_二大極殿_一受_レ朝、其儀於_二正門_一樹_二烏形幢_一」(出典：続日本紀‐大宝元年（701）正月乙亥朔)
   2. [その他の文献]〔後漢書‐輿服志〕
3. ② ①より、魔軍を破摧する法(のり)の王である仏を象徴して仏・菩薩の荘厳具としたもの。龍や宝珠を上端につけて竿につるし、堂内の柱にかける。→法幢。
   1. [初出の実例]「参法性寺、令立幢修諷誦」(出典：貞信公記‐抄・延長四年（926）四月一五日)
4. ③ とばり。たれぎぬ。

はた‐ほこ【幢・橦】

1. 〘 名詞 〙 ( 「幡鉾」の義。「はたぼこ」とも ) 小旗を上部につけたほこ。または、ほこを上部につけた旗竿。朝儀や法会の儀仗に用いる。
   1. 
      幢〈日本年中行事大成〉
   2. [初出の実例]「波羅門の作れる小田を喫む烏瞼腫れて幡幢(はたほこ)に居り」(出典：万葉集（８Ｃ後）一六・三八五六)
   3. 「高き物おもしろくば、朱雀門、はたほこなどを〈略〉見る人侍らまし」(出典：宇津保物語（970‐999頃）楼上上)

出典　精選版 日本国語大辞典