平定盛(読み)たいらのさだもり

世界大百科事典(旧版)内の平定盛の言及

【空也】より

…また,囚人のために卒塔婆を建てて供養し(《打聞集》),父母を失った幼児を慰め(《古今著聞集》),病気を治し(《打聞集》《宇治拾遺物語》),松尾明神に着古した小袖を脱いで与える(《発心集》)など,民間の宗教者のさまざまな姿が説話集に記されている。空也は鹿の鳴声を愛していたが,その鹿を平定盛が射殺したために深く悲しみ,その毛皮で衣を作り,角を杖の頭につけて念仏を唱えた。そのことを聞いた定盛は悪業を悔いて空也に従い,念仏踊をはじめたという鉢叩の伝承は,中世の踊念仏の徒の姿を思わせる。…

※「平定盛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」