平等所跡(読み)ふいらじゆあと

日本歴史地名大系 「平等所跡」の解説

平等所跡
ふいらじゆあと

[現在地名]那覇市首里久場川町一丁目

王府の裁判所。設立年代は不明。フィラジュとよぶ。平等方ともいう。「球陽」「琉球国由来記」によると万暦四五年(一六一七)に平等所の長官に向洪基を任命したとあるが、長官職の設立時期は不明としている。首里古地図によると久場川くばがー村の北端西原にしばる間切平良てーら村の境界である平良たいら(現安謝川)沿いで太平たいへい(平良橋)の東に位置する。

長官を平等之側、次官を平等方吟味役という。両者は表十五人という合議機関一員でもあり、下之御座または評定所とも称し、首里城北殿で行われた王府の政務全般を担う高級官僚でもあった。下役に平等所大屋子主取・平等所大屋子・見習大屋子・筆者・大筑・脇筑・大佐事・脇佐事などがおり、実際に取調などを行うのは主取や大屋子らであった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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