平重盛像(読み)たいらのしげもりぞう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「平重盛像」の意味・わかりやすい解説

平重盛像
たいらのしげもりぞう

京都神護寺に伝わる 12世紀末の平重盛肖像画国宝。『源頼朝像ほか4像とともに同寺仙洞院に置かれていた。頼朝像と同じ精密な技法で描かれたが,肌色の関係で頭部の絹がいたみ,輪郭や眼鼻の線描欠落が多く,かえって鋭い表現がやわらぎ穏やかな印象を与える。寺伝のとおり藤原隆信の手に成り,肖像画に新しい様式を開いたものと考えられる。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「平重盛像」の解説

平重盛像
たいらのしげもりぞう

鎌倉あるいは南北朝期の肖像画。神護寺には平重盛像のほかに源頼朝像と藤原光能(みつよし)像とされる画像が伝来し,3像はもと同寺仙洞院に安置されていたと推定されるが,これらを足利尊氏・同直義・同義詮の画像にあてる説もある。束帯をつけ類型的であるが,顔貌は柔らかな細線で入念に描写されている。絹本着色。縦139.4cm,横111.8cm。神護寺蔵。国宝の指定名は「伝平重盛像」。

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旺文社日本史事典 三訂版 「平重盛像」の解説

平重盛像
たいらのしげもりぞう

鎌倉初期,平重盛の肖像画
京都神護寺にある5画像の一つ。当時の写実的傾向を代表する作品。『源頼朝像』とともに藤原隆信筆と伝えられている。

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