平野金華(読み)ひらの・きんか

朝日日本歴史人物事典 「平野金華」の解説

平野金華

没年享保17.7.23(1732.9.11)
生年元禄1(1688)
江戸時代中期の漢学者。陸奥国(福島県)三春の人。名は玄中(仲),字は子和,通称源右衛門。金華はその号。初め江戸に出て,医を千田大円堂に学ぶ。のちに儒を志し,荻生徂徠師事,古文辞学を修めた。先に三河(愛知県)刈谷藩に仕え,のちに水戸家の支藩である守山藩に仕えた。放蕩で酒癖が悪く,諧謔を好んだが,義気に富み,真率さが愛された。服部南郭と仲がよく,文辞で名を残すが,本来の志はあくまでも経学にあったといえる。その学問一端をかいまみせる『金華雑譚』に,金華の嗜好を窺うことができる。<著作>『金華稿刪』

(高橋昌彦)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「平野金華」の解説

平野金華 ひらの-きんか

1688-1732 江戸時代中期の儒者
元禄(げんろく)元年生まれ。荻生徂徠(おぎゅう-そらい)にまなぶ。詩文にすぐれ,三河(愛知県)刈谷(かりや)藩につかえ,朝鮮通信使と詩文をかわした。のち陸奥(むつ)守山藩(福島県)の儒官となる。享保(きょうほう)17年7月23日死去。45歳。陸奥三春(福島県)出身。名は玄中。字(あざな)は子和。通称は源右衛門。著作に「金華稿刪(こうさん)」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「平野金華」の意味・わかりやすい解説

平野金華
ひらのきんか

[生]元禄1(1688)
[没]享保17(1732)
江戸時代中期の儒学者。名,玄仲。通称,源右衛門。荻生徂徠に学び,常陸守山藩に招かれ,死後藩主が『金華文集』を刊行した。

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