年頃・年比(読み)としごろ

精選版 日本国語大辞典 「年頃・年比」の意味・読み・例文・類語

とし‐ごろ【年頃・年比】

〘名〙 (古くは「としころ」)
① 幾年かの間。ここ数年の間。また、長年の間。副詞的にも用いる。
万葉(8C後)二・一九二「朝日照る佐田の岡辺に鳴く鳥の夜鳴きかへらふ此の年己呂(としコロ)を」
※伊勢物語(10C前)一六「としごろあひなれたる妻、やうやう床はなれて、つひに尼になりて」
一人前の年齢。特に、女性の結婚するのにふさわしい年齢。妙齢(みょうれい)
武蔵野(1887)〈山田美妙〉中「言はずと知れた妙齢(トシゴロ)の処女(をとめ)
③ 外部から見ておしはかった、だいたいの年齢。年輩。年の頃。〔羅葡日辞書(1595)〕
※義血侠血(1894)〈泉鏡花〉一「其年紀(トシゴロ)は二十三四」
④ ちょうどそのことにふさわしい年齢であること。また、考え方や感じ方などが、一般的にいって、ある傾向や志向を持ちやすい年齢であること。
今戸心中(1896)〈広津柳浪〉一「吉里は廿二三にもならうか、今が稼ぎ盛の年輩(トシゴロ)である」
⑤ (形動) 相当年をとっていること。相当の年輩。また、そのさま。
※会津塔寺八幡宮長帳‐享徳二年(1453)正月裏書「御としころのさふらい。みなうちしにはらを仕候」
洒落本遊子方言(1770)発端「其中に年ごろな、ぢぢいが黙礼して行」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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