庁中漫録(読み)ちようちゆうまんろく

日本歴史地名大系 「庁中漫録」の解説

庁中漫録
ちようちゆうまんろく

七八冊 玉井定時ほか著

成立 元禄年間―明治二八年

分類 地誌ほか

原本 奈良市多門町の玉井家

解説 奈良奉行所の与力玉井定時とその子孫著述筆写を一括して庁中漫録(庁とは南京の庁すなわち奈良奉行所のこと)という。大部分は定時が在職中および致仕後、大和国内の有識者から記録・由緒書・縁起などを借覧・研究し編述したものが中心。とりわけ「大和名勝志」一六冊、「寛永七年高付大和国著聞記」(慶長郷帳)、「給所御代官替之分大和国著聞記」(寛永郷帳)、「大和国著聞記」「奈良街著聞記」や「庁中漫録」(奈良奉行所触達集)八冊のほか「春日社造営記」「春日祭礼後日能記」、「大仏殿再建記」二冊、「御開封記―東大寺正倉院」「元禄十丁丑年山陵記録」をはじめ役掌に伴う記録として若年寄京都所司代の南都御越記録や川々検分記などを含む。「大和名勝志」は大和の地誌に関する貴重なもの。マイクロフィルム県立奈良図書館

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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