広橋家文書(読み)ひろはしけもんじょ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「広橋家文書」の意味・わかりやすい解説

広橋家文書
ひろはしけもんじょ

藤原北家(ほっけ)日野の一流である広橋家に伝来した文書群。堂上(とうしょう)家であった広橋家は、名家の一つとして代々朝廷の事務機構において活動しただけではなく、石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)などの寺社伝奏(てんそう)も務め、室町・江戸期には何代にもわたり武家伝奏にあたった。この鎌倉期から江戸末期に及ぶ文書の内容は、帝王関係、皇室の吉凶関係、朝廷の公事(くじ)儀式関係、神事・仏事関係、叙位・任官関係、改元・改暦関係、公武関係、さらに広橋家歴代当主の日記を中心とする家関係の文書、その他種々の故実書、漢籍古文書、和歌詠草など多岐にわたっている。これらの文書のうち、とくに実務文書は、朝廷の儀式典礼、また制度・機構を明らかにするうえで重要な史料である。『岩崎文庫和漢書目録』(1934)に一部が収められている。

[下東由美]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android