普及版 字通 「弊(漢字)」の読み・字形・画数・意味
弊
常用漢字 15画
(旧字)
15画
(異体字)
16画
[字訓] たおれる・やぶれる
[説文解字]
[字形] 形声
声符は敝(へい)。敝は膝(へいしつ)など、礼装用のぬいとりのあるものが、古びて破れることをいう。正字は・斃に作り、〔説文〕字条十上に「頓仆(とんふ)するなり」、〔爾雅、釈言〕に「(たふ)るるなり」とあって、犬が斃死することをいう。〔左伝、僖四年〕「犬に與ふ、犬斃る。小臣に與ふ、小臣も亦た斃る」とあり、犬が毒物によって斃死することをいい、人にもいう。毒物を犬に与えて験することがあったのであろう。漢碑にはの字を用いている。
[訓義]
1. たおれる、犬がたおれる、たおれて死ぬ、つかれて死ぬ。
2. やぶれる、つきる、やむ、きわまる、たえる。
3. 幣と通じ、きぬ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 ツヒエ・サダム・ヤブル・ツビタリ・ソコナフ・ツブル・タフル・ツタナシ・タツ・アシ・ヤス・ワケタリ 〔字鏡集〕 ツブル・ワワケタリ・タユ・ソコナフ・ヤブル・ツヒエ・サダム・ツタナシ・タフル・タフ・ヤス・アシ/ ヤム・ヤブレタリ・キハマル・ツカル・ツヒニ・オトロフ・カタシ・オホフ・コレ
[語系]
・biatは同声。跋buat、蹣buanまた躄piekも声義近く、みな蹣跚(まんさん)としてよろめくような状態、俗に腰のぬけたようなさまをいう。
[熟語]
弊衣▶・弊帷▶・弊訛▶・弊壊▶・弊鎧▶・弊害▶・弊久▶・弊居▶・弊御▶・弊▶・弊袴▶・弊梗▶・弊甲▶・弊国▶・弊困▶・弊策▶・弊▶・弊事▶・弊車▶・弊習▶・弊絮▶・弊牀▶・弊象▶・弊制▶・弊政▶・弊席▶・弊俗▶・弊宅▶・弊端▶・弊田▶・弊蠹▶・弊竇▶・弊憊▶・弊薄▶・弊仆▶・弊風▶・弊弊▶・弊法▶・弊袍▶・弊民▶・弊邑▶・弊落▶・弊乱▶・弊履▶・弊廬▶・弊陋▶・弊穢▶
[下接語]
悪弊・遺弊・革弊・奸弊・頑弊・弊・旧弊・朽弊・救弊・窮弊・弊・窘弊・語弊・垢弊・困弊・時弊・醜弊・宿弊・除弊・衰弊・積弊・弊・雕弊・通弊・蠹弊・党弊・鈍弊・破弊・煩弊・疲弊・鄙弊・罷弊・糜弊・文弊・余弊・乱弊・利弊・流弊・弊・労弊
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報