普及版 字通 「弔(漢字)」の読み・字形・画数・意味
弔
常用漢字 4画
[字訓] とむらう・いたむ・あわれむ
[説文解字]
[字形] 象形
(しやく)(いぐるみ)の形。金文の字は従来叔(しゆく)と釈され、叔善の意に用いるが、それは仮借義。〔説文〕八上に「りを問ふなり」と弔問の意とし、字形を「人と弓とに從ふ」とする。また「古のる、厚く之れに衣(き)するにを以てす。故に人ごとに弓を持ち、會して禽を(う)つなり」(段注本)とあり、〔小徐本〕にはなお「弓は蓋(けだ)し復弔問するの義なり」と弓に従う義を説く。古くは屍を草野に棄て、その風化を待って骨を拾うので、弓を携えてゆき弔うと解するものであるが、の象形字である弔を、叔の音に仮借したもので、古い文献にみえる「不弔」は「不淑」の意。〔書、多士〕〔詩、小雅、節南山〕の「旻天に弔(とむら)はれず」の「不弔」は「不淑」、「昊天に淑(よ)しとせられず」の意である。「とむらう」はおそらく(いたる)の用義で、〔詩、小雅、天保〕「の弔(いた)る」の義より転じたものであろうが、のちおおむねその義に用いる。は〔説文〕二下に「至るなり」と訓する。
[訓義]
1. いたる、とむらう。
2. (しやく)の象形で、いぐるみ、のち(弔の形声字)を用い、弔をいぐるみの義に用いることはない。
3. いたむ、あわれむ、なげく。
4. 淑・俶と通じ、よし、よしとする。
5. 吊・釣と通じ、つる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕弔 トブラフ・トフ・イタル
[声系]
〔説文〕に弔声として・など三字を収める。は「至るなり」、五上は「なり」と訓するが、金文に「不弔」をまた「不」に作り、弔と同じく淑の意に用いる。
[語系]
弔tyk、淑zjiukは声近く、俶thjiukも同系の語。金文の「不弔」「不」は〔詩〕の「不弔」「不淑」という語にあたり、「不淑」とは人の死をいう。
[熟語]
弔意▶・弔慰▶・弔賀▶・弔旗▶・弔儀▶・弔客▶・弔橋▶・弔頸▶・弔▶・弔▶・弔古▶・弔拷▶・弔哭▶・弔祭▶・弔災▶・弔祠▶・弔死▶・弔詞▶・弔事▶・弔辞▶・弔恤▶・弔書▶・弔傷▶・弔▶・弔水▶・弔生▶・弔睛▶・弔贈▶・弔喪▶・弔朶▶・弔壇▶・弔梯▶・弔▶・弔桶▶・弔伐▶・弔愍▶・弔賻▶・弔撫▶・弔服▶・弔文▶・弔民▶・弔名▶・弔問▶・弔臨▶・弔礼▶・弔労▶
[下接語]
哀弔・吉弔・泣弔・敬弔・恵弔・慶弔・献弔・自弔・誅弔・追弔・不弔・赴弔・弔・臨弔
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報