引当(読み)ひきあてる

精選版 日本国語大辞典 「引当」の意味・読み・例文・類語

ひき‐あ・てる【引当】

〘他タ下一〙 ひきあ・つ 〘他タ下二〙
① なでるようにして、物に押し当てる。
平家(13C前)一「此刀をぬき出し、鬢にひきあてられけるが」
② 籤(くじ)を引いて賞金賞品を当てる。
讚岐典侍(1108頃)下「中にわろかりしをひきあてたりしを」
③ おもいもかけないことを身に受ける。予想外の事態をまねく。
④ 他のことをひいて自分にあてはめてみる。ひきくらべる。
浮世草子好色一代男(1682)四「さてももろき命かな、雄(おんどり)が歎ふといふ。身に引あてて悲しく」
借金抵当にあてる。
歌舞伎・けいせい花絵合(1773)口明「兄弟身上を引あて是迄段々滞り込だ金子何しに相違有ふ」

ひき‐あて【引当】

〘名〙
① かわりとしてあてるもの。抵当。かた。担保
※歌舞伎・伊賀越乗掛合羽(1776)九「このめくさり金とこの著物を引当(ヒキアテ)にして」
② 予定されているきまった支出のために、その金額を準備しておくこと。また、その金。
江戸時代、川の上流から材木を流すときに、直接岸に突き当たるのを防ぐため両岸に別の材木をくくりつけること。また、その材木。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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