弟国村(読み)おうぐにむら

日本歴史地名大系 「弟国村」の解説

弟国村
おうぐにむら

[現在地名]多気町弟国

櫛田くしだ川・はらい川の分流点付近南方にある。北は朝長あさおさ村、南は河田こうだ村と境し、東は岩内ようち(現明和町)と接し、西は佐奈さな川を越えて兄国えくに村へ通ずる。

飯野いいの郡兄国郷に属する。古代の条里に大国里とあるのは、後の弟国村と関係をもつと推定される。弘仁三年(八一二)に東寺に寄進された墾田地(後の大国庄)は、弟国を中心に展開した荘園であった。保安二年(一一二一)九月二三日付の大国庄流失田畠注進状(白河本東寺百合文書)には、八月二五日の洪水によって流失あるいは土砂に埋もれた田畠の一として「大国村田三町八段半、畠一町一段之中五段桑畠已損」とみえる。大治五年(一一三〇)九月二〇日付の井手郷村々刀禰等宛の大神宮司庁宣(東寺百合文書)には、勤仕すべき外宮仮殿遷宮・内宮修理料色々用途物として、「大国村 藺萱卅五為、縄卅方、綱一筋長六丈五十支、苫二枚、夫十人、炭一石、縫縄五方」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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