強心剤(読み)キョウシンザイ

精選版 日本国語大辞典 「強心剤」の意味・読み・例文・類語

きょうしん‐ざいキャウシン‥【強心剤】

  1. 〘 名詞 〙 心臓機能不全を正常にもどすために使用する薬物。代表的なものにジギタリスがある。〔慶応再版英和対訳辞書(1867)〕
    1. [初出の実例]「強心剤の注射をした」(出典:波(1928)〈山本有三〉子)

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病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「強心剤」の解説

強心剤

強心剤とは


 血液を送り出す心臓(心筋しんきん:心臓を構成する筋肉)のポンプ機能(心筋収縮拡張)が、先天性の心臓病心臓弁膜症重症の高血圧症、肺性心といった慢性の病気のために低下し、十分な量の血液を送り出せなくなった状態が心不全で、その治療に用いる薬が強心剤です。


 いろいろな種類がありますが、いずれも心臓の収縮力を高め、十分な量の血液を送り出すように作用します。


 代表的な強心剤が、ジギタリス製剤です。ジギタリス製剤は、心筋に直接はたらきかけてポンプ作用を強化し、1回の収縮で十分な量の血液を送り出せるようにするので、少ない回数のポンプ機能でより多くの血液が送り出せるようになります。


 このジギタリス製剤とほぼ同じ作用を示す強心剤に、キサンチン系製剤カテコールアミン系製剤などがあります。


 また、心臓の異常な興奮を抑え、心臓のポンプ機能を正常にするはたらきをもっているユビデカレノン製剤のほか、βブロッカー製剤カルシウム拮抗剤なども使用されることがあります。


ジギタリス製剤


キサンチン系(カフェイン誘導体)製剤


カテコールアミン系製剤


ユビデカレノン製剤


ピモベンダン製剤


タウリン製剤

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「強心剤」の意味・わかりやすい解説

強心剤
きょうしんざい
cardiotonics

心臓強化のほか,血管,血圧を調整するものも含めて,心臓の機能不全を回復させる薬剤の総称普通は,(1) おもに中枢神経および心臓に作用するカンフルカフェイン,コラミン類,(2) おもに冠状動脈に働く心臓ホルモン,(3) 心臓の働きをよくし,末梢血管を拡張するイソプロテレノール,アドレナリン,下垂体後葉ホルモン,(4) 心筋と迷走神経に特殊な働きを示すジギタリス類,に分けられる。

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