中国古代の伝説上の長寿者。《荘子》などは単に長寿者の代表として言及するが,神仙思想の発達につれて仙人の一人とされ,さまざまな伝承が付加された。《列仙伝》などによれば,姓は籛(せん),名は鏗(けん)。陸終氏の第3子で帝顓頊(せんぎよく)の玄孫。帝尭(ぎよう)のときに彭城に封ぜられたので彭祖という。つねに桂芝を食し,導引養生の術をよくして長寿を得,殷末には700余歳に達したが,その後昇天したという。
執筆者:麦谷 邦夫
《医心方》に抄録された《養生要集》には彭祖の養生法が記載されている。〈養生の仙方は,いのちを損わないようにすることである。自然の推移に調和して四季に身を適応させ,美人のものごしを娯(たの)しんで執着せず,車馬は分をこえた飾りつけを望まず,音楽は耳をよろこばす程度にひかえ,欲望におぼれぬようにコントロールする。重ね着や厚い敷物は風邪をひきやすい虚弱体質にし,飲みすぎ食べすぎは病気の原因となり,房事過多は体力減退,気力脱落を招き,物見遊山や野外のレクリエーションも,度をこせば身体のバランスをくずす〉といましめている。また呼吸法についても〈少しでもその道に明るければ240歳の寿命を得,この道を究めれば480歳まで生きられる。心を空にし,身を虚にすること。満腹や充足は気を渋滞させる。喜怒哀楽の情がはげしいと上気する。だんだんと修練して行くべきである〉と説く。
執筆者:槇 佐知子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…唾液中にあるパロチンというホルモンは間葉系組織の生理的な発育と栄養に役立ち,緒方知三郎によれば強精効果もあるという。《玉房指要》には彭祖(ほうそ)の言として,五臓が分泌する液は舌に集まるので,神農(しんのう)のころの雨をつかさどる仙人赤松子のように美女の唾を飲めば穀類をとる必要がなく,交接の最中に女性の舌を吸って唾液をたくさん飲みこめば胃炎や乏尿に効き,皮膚は潤って〈姿処女のごとし〉とある。 エジプト神話の中では,テム神の唾からシュー神とテフヌート神が生まれてくる(W.バッジ《エジプト人の神々》)。…
※「彭祖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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