役員賞与金(読み)やくいんしょうよきん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「役員賞与金」の意味・わかりやすい解説

役員賞与金
やくいんしょうよきん

取締役などの役員(会社法329条1項)や執行役が会社から受ける報酬等の一種。一般的に会社から支払われる確定額の報酬(俸給)以外に職務執行の対価として会社から受ける財産上の利益の一つ。役員などが会社から受ける報酬等について,会社法はその名称にかかわらず,委員会設置会社以外の会社においては定款または株主総会決議により,その額や算定方法,また報酬等が金銭でないものについてはその具体的内容を定めることを規定する(361条1項各号)。また委員会設置会社においては取締役などの報酬等は報酬委員会が個人別の報酬の内容を決定する(404条3項)。なお企業会計上,賞与は発生した期間の費用としての処理が強制される(2005年企業会計基準第4号「役員賞与に関する会計基準」)。退任した取締役などに支給されるいわゆる退職慰労金の決定についても,在職中の職務執行の対価として支給されるかぎり報酬等の一種であり,前掲規定の適用対象となると解されている 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「役員賞与金」の意味・わかりやすい解説

役員賞与金
やくいんしょうよきん
directors and auditors' bonus

会社の利益のうち利益処分によって役員(取締役と監査役)に与えられる部分のこと。利益の有無大小によって変動するから、業績に対する報奨性格をもち、そのため賞与金という。決算を踏まえ、利益処分案の一部として定時株主総会に提出され、承認決議がなされたのちに支給される。従業員に対する賞与は損金になるが、役員賞与金は損金控除にならない。

[森本三男]

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