彼人(読み)あのひと

精選版 日本国語大辞典 「彼人」の意味・読み・例文・類語

あの‐ひと【彼人】

[1] 〘代名〙 対称近世、対等以下の人をさしていった。
※浄瑠璃・夏祭浪花鑑(1745)四「『此乳母になぜ物を隠さしゃる』『ヲヲあの人の隠すとは何をかくす』」
[2] 〘連語
話し手、聞き手から離れたところにいる人をさす。
多武峰少将物語(10C中)「つれづれのながめに、すまひさへかはりたれば、あの人の影も見えねば心細きを」
現代では、特に恋人自分の夫をさしていう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報