後家分(読み)ゴケブン

デジタル大辞泉 「後家分」の意味・読み・例文・類語

ごけ‐ぶん【後家分】

武家などの妻で、後家となった者の受ける応分の保証
「今も―を得て、ともしからであんなるぞ」〈古活字本平治・下〉
後家のような境遇
「奥に入らせ給はず、生き別れの―にならせ給ふ」〈浮・一代女・三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「後家分」の意味・読み・例文・類語

ごけ‐ぶん【後家分】

〘名〙
① 後家②としてふさわしい保障手当てを受けること。特に、中世、武家などで、自分の財産を処分する時、妻に対して、自分の死後における一生涯の生活の保障として、領土のいくらかを分け与えること。また、その妻が受ける分け前
平治(1220頃か)下「秀衡が郎等、信夫小大夫といふ者、道にてゆきあひ、よこ取りして、二人の子をまふけたんなり。今も後家分を得て、ともしからであんなるぞ」
② 後家②のような境遇になること。未亡人としての生活を送ること。後家としての身分や境遇。
浮世草子好色一代女(1686)三「殿も女はをそろしくおぼしめし入られて、それよりして奥に入せ給はず、生別れの後家分(ゴケブン)にならせ給ふ」

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