デジタル大辞泉 「徒花」の意味・読み・例文・類語 あだ‐ばな【▽徒花】 1 咲いても実を結ばずに散る花。転じて、実じつを伴わない物事。むだ花。「徒花を咲かす」「徒花に終わる」2 季節はずれに咲く花。3 はかなく散る桜花。あだざくら。「風をだに待つ程もなき―は枝にかかれる春の淡雪」〈夫木・四〉[類語]花・草花・生花・生け花・切り花・盛り花・押し花・造花・ドライフラワー・花束・ブーケ・花輪・レイ・無駄花・初花・国花・県花・名花・梅花・桜花・菊花・綿花・菜の花・落花 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「徒花」の意味・読み・例文・類語 あだ‐ばな【徒花】 〘 名詞 〙① 咲いても実を結ばない花。むだ花。転じて、みせかけだけで実(じつ)を伴わない物事、予測される結果を伴わないで終わることにたとえていう。[初出の実例]「花 爾雅云〈略〉栄而不実謂之英〈於驚反阿太波奈〉」(出典:十巻本和名抄(934頃)一〇)「ならぬあだ花、まっしろに見えて、うき中垣の、夕顔や」(出典:歌謡・閑吟集(1518))② 咲いてもすぐ散るはかない花。主として桜についていう。また、はかない恋のたとえ。[初出の実例]「風をだに待つほどもなきあだ花は枝にかかれる春のあわ雪〈藤原行家〉」(出典:建長八年百首歌合(1256))③ 季節はずれに咲く花(日葡辞書(1603‐04))。④ 遊里で、客が芸妓などに渡す紙纏頭(かみばな)で、後で現金と替えるつもりのないもの。[初出の実例]「あだばなを出し人々に嬉しがらせ」(出典:浮世草子・椀久二世(1691)上)徒花の補助注記「誹諧初学抄」「毛吹草」「山之井」「哥林鋸屑集」には、春の季語としてみえるが、それ以後のものには、みられなくなる。 いたずら‐ばないたづら‥【徒花】 〘 名詞 〙 実のならない花。むだ花。あだ花。やくざ花。[初出の実例]「恋の花や、いたづら花やうちや匂ひわたった」(出典:浄瑠璃・平家女護島(1719)三) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例