得て(読み)エテ

デジタル大辞泉 「得て」の意味・読み・例文・類語

え‐て【得て】

[副]
得てして」に同じ。
「そう云う恩知らずは、―哲学者にあるもんだ」〈漱石虞美人草
得意として。
「―相撲を取りまする」〈虎明狂・鼻取相撲〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「得て」の意味・読み・例文・類語

え‐て【得て】

  1. 〘 副詞 〙 ( 動詞「得(う)」の連用形に助詞「て」が付いてできたもの )
  2. ある一定の方向になりがちな傾向を認める意を表わす語。ともすると。とかく。えてして。
    1. [初出の実例]「今この文武兼行の摂籙のいできたらんずるを、ゑて君のこれをにくまんの御心いできなば」(出典:愚管抄(1220)七)
    2. 「小便する夢にはえて寝小便たれる事あるものなれば」(出典:滑稽本・古朽木(1780)三)
  3. 得意として。
    1. [初出の実例]「中にもえてすまふをとると申まする」(出典:虎明本狂言・鼻取相撲(室町末‐近世初))
  4. え〔副〕後に否定の意味の表現を伴って、とても…できないの意を表わす語。
    1. [初出の実例]「此過失にして除かざれば、時代小説の目的をば得て遂ること能はざるなり」(出典:小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉下)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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