御出なる(読み)おいでになる

精選版 日本国語大辞典 「御出なる」の意味・読み・例文・類語

おいで‐に‐な・る【御出なる】

〘自ラ五(四)〙
[一] 「行く」「来る」「居る」の意の尊敬語。いらっしゃる。おいでなさる。
① 「行く」の尊敬語。
雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉下「丁度貴君が函館とやらへ御出(オイ)でになりました翌年御坐いますが」
② 「来る」の尊敬語。
※雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉下「今日はお出でにならふかと思ってお待ち申して居りました」
③ 「居る」の尊敬語。
※桑の実(1913)〈鈴木三重吉〉一四「洗吉さんは、家にばかりお出でになっては気がつまると見えて」
[二] 補助動詞として用いられる。動作・状態の継続・進行の意で、その主語に当たる人に対する尊敬を表わす。
(イ) 動詞の連用形に助詞「て(で)」を添えた形に付く。
※桑の実(1913)〈鈴木三重吉〉六「弟さんは下ではうるさいからか、二階の画室へ上って調(しらべ)をしてお出になる」
(ロ) 形容詞の連用形に助詞「て」を添えた形に付く。
※雁(1911‐13)〈森鴎外〉二〇「檀那は御機嫌好くてお出(イデ)になるかい」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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