御料所奉行(読み)ごりょうしょぶぎょう

改訂新版 世界大百科事典 「御料所奉行」の意味・わかりやすい解説

御料所奉行 (ごりょうしょぶぎょう)

室町時代中後期,禁裏(皇室御領を管理するために朝廷内に置かれた役人。1436年(永享8)に三条実量が任命されたのを初見とし,98年(明応7)には三条実望が任ぜられ,1502年(文亀2)ごろの勧修寺(かじゆうじ)政顕,13年(永正10)までその職にあった広橋守光,守光に代わって任ぜられた三条西実隆,61年(永禄4)ごろの三条西公条などが知られている。これらの人々はいずれも幕府武家との強い関係をもっている。たとえば,三条実量は伏見宮貞成親王の家司として将軍足利義教との連絡を一手に引き受けているし,勧修寺,広橋家は後に江戸幕府の初代武家伝奏に任命された家である。この点を考慮すると,その職務は個々の御領の奉行代官の事務を総覧して,実質的管理権を失った彼らに代わって武家と折衝することにあったと思われる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android