出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
静岡県北東端,富士山東麓の市。1955年御殿場町,富士岡村,原里村,玉穂村,印野(いんの)村が合体,市制。人口8万9030(2010)。御殿場の地名は,徳川家康が造らせた御殿に由来するといわれる。古代の横走駅が置かれた地とされる。古代末から中世にかけて伊勢神宮領大沼鮎沢御厨(みくりや)の内にあり,鎌倉幕府の御家人大森氏一族が強大な勢力を誇っていた。戦国時代には今川氏の勢力圏に入り,大森氏の一族葛山氏が深沢城に拠って支配したが,今川氏滅亡後,後北条氏と武田氏の抗争の舞台となり,1571年(元亀2)深沢城は武田氏の手に落ちた。近世は1633年(寛永10)以後,一時期を除いて小田原藩領で新田の開発が盛んとなり,印野,竈(かまど)新田などが開かれた。1889年東海道本線が御殿場経由で開通,富士登山口などが開けたが,1934年の丹那トンネルの開通によって支線御殿場線となり,町の経済は登山客あるいは軍事基地に依存することになる。69年の東名高速道御殿場インターチェンジ開通後の地域の変容は大きく,農業は水田耕作中心から養鶏,養豚などの大規模畜産などへの移行が目だち,工業では,電気機械,精密機械,レコード製造など内陸型工業の進出が著しい。また富士山東麓などでは,大手観光資本による別荘,ゴルフ場などの開発も進んでいる。かつてアメリカ軍が管理した東富士演習場は,70年以降自衛隊が使用している。駒門風穴(天),印野の溶岩隧道(ずいどう)(天),御胎内高山植物園などがある。
執筆者:塩川 亮
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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