御覧付（読み）ごらんじつく

精選版 日本国語大辞典

ごらんじ‐つ・く【御覧付】

[1] 〘他カ四〙 (「見付く」の尊敬語)

① お目をとめられる。注目なさる。

※栄花（1028‐92頃）かがやく藤壺「はかなき御ぐしの箱・硯の筥の内よりして、をかしうめづらかなる物共の有様に御覧じつかせ給て」

② 見慣れていらっしゃる。親しく、また、好ましいとごらんになる。

※源氏（1001‐14頃）絵合「弘徽殿には、御らむじつきたれば、むつましうあはれに心安く思ほし」

[2] 〘他カ下二〙 (「見付ける」の尊敬語) お見つけになる。目をとめてごらんになる。

※宇津保（970‐999頃）楼上上「よろづにのたまふ事のらうらうじく愛敬づき、いかなるさまをか、かつ御らんじつけられんとこそ思侍れ」

出典　精選版 日本国語大辞典