御部屋(読み)オヘヤ

デジタル大辞泉 「御部屋」の意味・読み・例文・類語

お‐へや【御部屋】

部屋」の尊敬語美化語
宮中で、つぼねの下に属し雑役をした女。
貴人のめかけ。おへやさま。
「たとへ―にもせよ、傾城けいせい遊女を屋敷へ入れてはよその聞え」〈伎・幼稚子敵討
中流人妻敬称。おへやさま。
よめ、御新造、―などいふは子細らし」〈浮・好色訓蒙図彙・上〉
遊女屋主人。また、その居間
「商ひをたんとなすって、―の御機嫌のよいやうになすったがいいのさ」〈洒・南閨雑話

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御部屋」の意味・読み・例文・類語

お‐へや【御部屋】

〘名〙 (「お」は接頭語)
① ある人を敬ってその部屋をいう語。また、部屋を丁寧にいう語。
※浮世草子・商人軍配団(1712か)二「御新造の御入なさるる、お部(へ)やの普請ばかりに五十貫目の入用」
② 宮中で御服掛、御膳掛、雑仕など、局(つぼね)の下に属する者。
武家屋敷の女中部屋。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)二「あなたがお屋敷にお出(いで)遊す時分は、お部屋中で評判のお結搆人でございました」
④ 中流社会の人妻の敬称。
※浮世草子・好色訓蒙図彙(1686)上「娌(よめ)、御新造、御部屋などいふはしさいらし」
⑤ 貴人のめかけ。側室(そくしつ)。そばめ。
随筆・独寝(1724頃)上「大名・高家の御部屋かたかたといふも、子にてもなきうちはあんじらるる事あらんなれ共」
⑥ 遊女屋の主人。また、その部屋。品川など江戸の岡場所でいう。
洒落本・南閨雑話(1773)馴染の体「あきなひをたんとなすって、御部やの御機嫌の能いよふに、なすったがいいのサ」

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