心室(読み)シンシツ

デジタル大辞泉 「心室」の意味・読み・例文・類語

しん‐しつ【心室】

心臓下方を占める、厚い筋肉でできている部屋鳥類哺乳類では心室中隔によって左右両室に隔てられる。右心室静脈血肺動脈へ、左心室動脈血大動脈へ送り出すポンプ役割をする。

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精選版 日本国語大辞典 「心室」の意味・読み・例文・類語

しん‐しつ【心室】

  1. 〘 名詞 〙 心臓の下半部を占める腔所(こうしょ)上方心房から送られた血液動脈に押し出す働きをする。鳥類、哺乳類では隔壁によって左心室、右心室の二室に分かれ、左心室は動脈血を大動脈に、右心室は静脈血を肺動脈に送りこむ。〔医語類聚(1872)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「心室」の意味・わかりやすい解説

心室
しんしつ

筋肉性の壁に囲まれている心臓の内腔(ないくう)は四つの部屋からなっている。そのうち、心臓上部の小さい2室が心房であり、左心房、右心房とよぶ。心臓下部は厚い壁をもち、心臓の大部分を占めている2室が心室であり、左心室、右心室という。両心室を分けている心室中隔という壁は、両心房を分けている心房中隔と連続している。心臓を外部から見ると、上3分の1あたりに心臓を取り囲むように横走する冠状溝があり、この溝の位置が心房と心室の境にあたる。心臓が胸腔内に位置する場合は、右心室は左心室を右方から外套(がいとう)状に囲み、腹側(前方)にくるため、左心室は大部分が背側(後方)に回る。心臓の横断面では右心室は半月形で、左心室はほぼ円形である。壁の厚さを比較すると、左心室の壁は右心室の3倍ほどとなる。右心室の後上方には右心房と交通する右房室口、前上方には肺動脈につながる肺動脈口がある。右房室口には三尖弁(せんべん)がある。左心室は後上方に左心房と交通する左房室口があり、右上隅には大動脈につながる大動脈口がある。左房室口には二尖弁(僧帽弁)がついている。左心室の先端が心尖(しんせん)にあたり、その位置は左側の第5肋間(ろっかん)で正中線から約4横指のところとなる。この位置で体表から心尖拍動を触れることができる。

[嶋井和世]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「心室」の意味・わかりやすい解説

心室
しんしつ
ventricle

心房とともに心臓を構成する部屋で,右心室と左心室とがある。右心室は,三尖弁を介して右心房からの静脈血を受けて肺動脈に送り出し,左心室は,僧帽弁を介して左心房からの動脈血を受けて大動脈に送り出す働きをする。右心室には多数の肉柱と三尖弁を支える乳頭筋があり,肺動脈に移行する右室流出路には,室上陵と呼ばれる筋肉の隆起がみられる。左心室の肉柱は凹凸が少いが,心室壁の厚さは約2倍で,僧帽弁を支える乳頭筋がある。左右の心室は,大部分が筋性の心室中隔によって境されている。

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百科事典マイペディア 「心室」の意味・わかりやすい解説

心室【しんしつ】

心臓

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栄養・生化学辞典 「心室」の解説

心室

 心臓の一部.血液を心臓外へ送る機能をもつ.

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