心憎い(読み)ココロニクイ

デジタル大辞泉 「心憎い」の意味・読み・例文・類語

こころ‐にく・い【心憎い】

[形][文]こころにく・し[ク]
憎らしく思われるほど、言動などがすぐれているさま。「―・い演出」「―・いまで落ち着きはらう」
はっきりしないものに心がそそられるさま。特に、上品な深み感じ、心ひかれるさま。おくゆかしい。「―・い庭のたたずまい」
憎らしく思うさま。こしゃくにさわる。
「此小僧を少々―・く思って居たから」〈漱石吾輩は猫である
対象がはっきりしないので、不安である。
「定めて打手向けられ候はんずらん。―・うも候はず」〈平家・四〉
不審を感じ、とがめたく思うさま。怪しい。
「―・し。重き物を軽う見せたるは、隠し銀にきわまるところ」〈浮・胸算用・四〉
[類語](1傑出秀逸出色抜群屈指

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android