心臓麻痺(読み)シンゾウマヒ

デジタル大辞泉 「心臓麻痺」の意味・読み・例文・類語

しんぞう‐まひ〔シンザウ‐〕【心臓麻×痺】

心臓が急に動かなくなること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「心臓麻痺」の意味・読み・例文・類語

しんぞう‐まひシンザウ‥【心臓麻痺】

  1. 〘 名詞 〙 原因不明の急性心臓死。健康な人が突然死んだり、心臓病の人が急死したりしたときなど、原因が心臓にあると考えられる急性死亡をいう。
    1. [初出の実例]「俄然同夜より発病糖尿病となり、心臓麻痺に因り」(出典:東京日日新聞‐明治二六年(1893)一二月三〇日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「心臓麻痺」の意味・わかりやすい解説

心臓麻痺
しんぞうまひ

一般に心臓に起因すると考えられる突然死をいうが、明確に定義された概念ではない。突然死であるためその実態究明は困難であるが、直接の死因心室細動、心停止であると考えられている。原因疾患としては、心筋梗塞(こうそく)をはじめ、川崎病などの冠動脈病変や冠動脈奇形に基づくもの、心筋症心筋炎などの心筋病変によるもの、洞結節不全に代表される刺激伝導系の異常に基づくものなどが考えられている。なお、このほか、大動脈弁狭窄(きょうさく)症、肺高血圧症、ロマノ‐ワード症候群、WPW症候群でも、まれに突然死をおこすことがある。

[井上通敏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「心臓麻痺」の意味・わかりやすい解説

心臓麻痺【しんぞうまひ】

医学用語ではないが,一般に原因不明の心臓に起因したと思われる急性死を〈心臓麻痺による死亡〉と称する。その原因としては,心臓や大動脈破裂冠状動脈の急激な開塞(へいそく),心臓刺激伝導系の障害,急性伝染病回復期の心筋炎,種々の原因による心室細動,迷走神経の突然の興奮(ショック死)などが考えられる。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

改訂新版 世界大百科事典 「心臓麻痺」の意味・わかりやすい解説

心臓麻痺 (しんぞうまひ)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「心臓麻痺」の意味・わかりやすい解説

心臓麻痺
しんぞうまひ
cardioplegia

一般に急性の心臓停止と,それによる急死をさしていうが,学術上の用語ではない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の心臓麻痺の言及

【心臓死】より

…心停止が起こったときは,ただちに人工呼吸や心臓マッサージなどの心肺蘇生術を行う必要がある。 なお,かつて日本では,原因不明の急性心臓死に対して,俗に〈心臓麻痺〉と称し,Herzlähmungというドイツ語をあてていたが,その概念はあいまいなため,現在,医学的には用いられていない。脳死【細田 瑳一】。…

【心不全】より

…肺塞栓,肺梗塞では急性右心不全を起こす。死亡原因としていわれたり書かれたりする急性心不全は,原因疾患が不明で急激に呼吸困難と心停止をきたした場合と,原因疾患は明らかであるが急に心機能に失調をきたした場合に用いられ,以前に心臓麻痺と呼ばれていたものと同義的に使われる。一方,慢性心不全は原因疾患が心臓のポンプ機能に対して徐々に障害負荷となる場合で,代償機転が働いているため,心臓肥大はあるものの患者の息切れ,動悸などの訴えが比較的軽いのが普通である。…

※「心臓麻痺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android