心頼（読み）こころだのみ

精選版 日本国語大辞典

こころ‐だのみ【心頼】

〘名〙

① (「たのみ」は、結納のこと) 結婚の内約束のしるし。仮の婚約。

※浄瑠璃・鑓の権三重帷子（1717）上「どれぞ媒(なかうど)頼みて本式のいひ入はお前から、是は先(さき)それまでの心だのみ」

② 心の中で頼りに思うこと。また、そのものや人。心だより。

※五重塔（1891‐92）〈幸田露伴〉七「多年抱ける心願(ココロダノミ)に負(そむ)かざらしめたし」

こころ‐だより【心頼】

〘名〙 (「こころたより」とも) 心の中で頼みにすること。また、その相手。心だのみ。

※浄瑠璃・吉野忠信（1697頃）道行「こなたは尋ね逢坂の、心だよりもありすかの山松がえにすがりより」

※滑稽本・東海道中膝栗毛（1802‐09）五「コリャよいつれじゃと、あとからおふたりをこころだよりにさんじたわいな」

出典　精選版 日本国語大辞典