志す(読み)ココロザス

デジタル大辞泉 「志す」の意味・読み・例文・類語

こころ‐ざ・す【志す】

[動サ五(四)]
ある事をしようと思い定める。心の中に立てた目的目標に向かって進もうと決心する。「学問に―・す」「建築家を―・す」
「或いは山崎を―・して逃ぐるもあり」〈太平記・一五〉
好意謝意などの気持ちを表すために金品を贈る。
「越の国へまかりけるに、ぬさ―・すとて」〈後撰離別詞書
追善供養をする。
「今日は―・す日に当たりて候ふほどに」〈謡・定家
[類語]踏み切る思い立つ思い切る志を立てる腹を決める腹を固める腹を括る腹を据える

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「志す」の意味・読み・例文・類語

こころ‐ざ・す【志】

  1. ( 「心指す」で、心がその方へ向かうの意 )
  2. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行五(四) 〙 心の中で行動の目標、目的などを思い決める。
    1. (イ) 心に思い立つ。ある事をしようと思う。
      1. [初出の実例]「こころざせる女のあたりにまかりていひ入れける」(出典:貫之集(945頃)六)
    2. (ロ) ある目標をめざす。めざして行動する。めがける。
      1. [初出の実例]「彼浄土を心さしもとむる人は、かならず厭ひ願ふ心を発すべし」(出典:観智院本三宝絵(984)下)
      2. 「一たび道を聞きて、これにこころざさん人、いづれのわざかすたれざらん」(出典:徒然草(1331頃)一七四)
  3. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行四段活用 〙
    1. 好意、謝意などの気持を表わすために物などを贈る。
      1. [初出の実例]「あふげどもつきせぬ風は君がためわがこころざす扇なりけり」(出典:貫之集(945頃)八)
    2. 死者の霊をとむらう。追善供養する。法要を行なう。多く「こころざす日」の形となる。
      1. [初出の実例]「いや、けふは心ざす先祖の頼朝の日なり」(出典:咄本・醒睡笑(1628)一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android