志久見村(読み)しくみむら

日本歴史地名大系 「志久見村」の解説

志久見村
しくみむら

[現在地名]栄村大字さかい

志久見川西岸及びその上流北野きたの川・坪野つぼの川流域と南方山地を含む村。志久見川の河岸段丘上には北から雪坪ゆきつぼ・志久見・柳在家やなぎざいけ切欠きりかけ、北野川中流には極野にての、坪野川中流には坪野の集落があり、千曲川沖積地に塩尻しおじり西方千曲川小支流なめ沢川上流に暮坪くれつぼ長瀬ながせ西方台地上に堀切ほりきり野口のぐちの集落が散在する。塩尻集落の標高は二四〇メートル、長野県では最も低い。

現中野市から馬曲まぐせの字沓掛くつかけ(現下高井郡木島平きじまだいら村)を経て極野に至り、志久見・赤沢あかさわ(現新潟県中魚沼郡津南つなん町)を通過、魚沼うおぬま各地や柏崎かしわざきに至る古道筋。また現下高井郡野沢温泉のざわおんせん村から志久見に至る野沢峠越えの道は中世の市河文書に見える。近世の東谷筋道は、箕作みつくり・志久見間に一里塚があって、越後宮野原みやのはら(現津南町)へ通じ国境の両方に番所が置かれていた。古代より交通の要衝

志久見の初見は寿永三年(一一八四)醍醐禅師全成下文(市河文書)に「志久見山」とある。志久見村の村域は、鎌倉時代初期から中世末まで千曲川東南方に存在した志久見郷に属する(→志久見郷

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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