志布志湊(読み)しぶしみなと

日本歴史地名大系 「志布志湊」の解説

志布志湊
しぶしみなと

[現在地名]志布志町志布志など

志布志湾(有明浦)に面するまえ(志布志川)河口に開けた湊。平安時代は島津庄水門として栄えたといわれ(志布志町誌)、正和五年(一三一六)一一月三日の沙弥蓮正打渡状(旧記雑録)に「日向方嶋津御庄志布志津」とある。室町時代以降も国内外航路の要衝として栄え、一五六二年に鄭若曾によって著された中国の海防・地理書「籌海図編」の倭国事略に、薩摩大隅の主要港湾の一つとしてあげられている「審孛署」は志布志のこととされる。

江戸時代に入り、海外との交易は禁止されたが、志布志湊は琉球・大坂方面への物資の中継地として、また南大隅および日向諸県もろかた郡の蔵米の集積地としても栄え、物資の出入りを監視する津口番所が置かれていた(「列朝制度」など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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