思為・思做(読み)おもいなし

精選版 日本国語大辞典 「思為・思做」の意味・読み・例文・類語

おもい‐なし おもひ‥【思為・思做】

〘名〙
① はっきりした理由もなく、自分でそれだろうと思いきめること。先入観によって考えること。多く「に」を伴って副詞的に用いる。
源氏(1001‐14頃)賢木「わたらせ給ふ儀式、かはらねど、思なしに、あはれにて、ふるき宮はかへりて旅心地し給ふ」
越前竹人形(1963)〈水上勉〉一〇「玉枝は思いなし顔を伏せていった」
② (まわりの人が推量してきめる意から) ある人に対して他の人が持つ感じ。先入観をまじえた世間評判
※源氏(1001‐14頃)桐壺「人の御きはまさりて、思なしめでたく」

おもい‐な・す おもひ‥【思為・思做】

〘他サ四〙
① 意識的に、また、自分から進んで、そのように思う。あえて思う。思い込む。
伊勢物語(10C前)九「身をえうなきものに思なして」
② (上に推測の意を表わす語句を伴って) 推量して、ある考えを定める。推測する。
古今(905‐914)物名・四三四「人目ゆへ後にあふ日のはるけくはわがつらきにや思なされん〈よみ人しらず〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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