思置(読み)おもいおく

精選版 日本国語大辞典 「思置」の意味・読み・例文・類語

おもい‐お・く おもひ‥【思置】

〘他カ四〙
① 心にきめておく。前もって考えておく。
蜻蛉(974頃)中「かくてほどもなく不浄のことあるを、いでむと思ひをきしかど」
② 気にかける。あとに心を残す。思い残す。
※後撰(951‐953頃)恋六・一〇〇八「露の命いつとも知らぬ世の中になどかつらしと思をかるる〈よみ人しらず〉」

おぼし‐お・く【思置】

〘他カ四〙 (「おもいおく(思置)」の尊敬語)
① 心に決めておかれる。前もってお考えになる。
落窪(10C後)三「猶びんなき物におぼしおきたるなめりかし」
② 気におかけになる。あとに心を残される。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「ただかの人ばかりを、ありけりとおぼしをかれなんを」

おもい‐おき おもひ‥【思置】

〘名〙 あとあとの事に心を残すこと。将来のことを心配すること。
浮世草子傾城色三味線(1701)京「気をやむおやぢあって、子共の行末の事迄、無用の思ひ置」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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