怨み骨髄に入る(読み)うらみこつずいにいる

故事成語を知る辞典 「怨み骨髄に入る」の解説

怨み骨髄に入る

心底から深く恨むことのたとえ。

[使用例] あいつのために、おれは牢へいれられたと、うらみ骨髄に徹して、牢から出たとき、草の根をわけても、と私を捜しまわり[太宰治*春の盗賊|1940]

[由来] 「史記しん紀」に載っている話から。紀元前八世紀、春秋時代の中国で、しんと秦という二つの国が戦って晋が勝利し、秦の三人の将軍を生け捕りにしたことがありました。このとき、晋の君主夫人は、秦の君主の娘だったので、秦の将軍たちを助けたいと思い、「父は『此の三人を怨むこと、骨髄に入る(この三人のことを骨の髄まで恨んでおります)』、秦に返して死刑にさせてやってください」とうそをつきました。それを真に受けた晋の君主が三人の将軍を秦に返してやると、秦の君主は、彼らを手厚く出迎えて厚遇したとのことです。

〔異形〕恨み骨髄に徹す/恨み骨髄にとおる。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

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