怨親平等(読み)おんしんびょうどう

精選版 日本国語大辞典 「怨親平等」の意味・読み・例文・類語

おんしん‐びょうどう ヲンシンビャウドウ【怨親平等】

〘名〙 仏語大慈悲を本として、自分に害をなす者と、自分に愛を示す者とを差別しないこと。敵味方一切の人畜犠牲者を供養する時などに用いられる語。
※御遺告(835)「能者看定、以怨親平等観行、可預護」 〔仏所行讚‐一〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「怨親平等」の意味・わかりやすい解説

怨親平等
おんしんびょうどう

仏教用語。怨敵と親しい者とを平等にみるという意味。仏教の根本精神は大慈悲であるから,にくい敵であるからといって憎むべきではないし,また親しい者であるからといって特に執着すべきではなく,平等にいつくしみ憐れむべきことをいう。日本では戦いの終ったあと,敵味方区別なく戦死者供養塔を建立したという例があるが,これはこの精神の現れとみられる。

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