出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
フランスの作家スタンダールのエッセイ。1822年刊。冒頭で恋愛を4種に分類したり、恋の進展に7段階を画したり、のち有名になった「結晶作用」cristallisationという用語を導入するなど、恋愛に関する理論的著作であるかのような印象を与えるが、総体はあまり体系的とはいいがたい。「人間の心の観察家」を天職と心得るスタンダールは、イデオロジー哲学の強い影響のもとに、もちろん恋愛なる情念の分析を志すのだが、しばしばそれ以上に私的体験の告白(多くは自殺した一イタリア青年の手記という体裁をとる)が前面に押し出されてしまう。すなわち、この作品は、ミラノで人妻マチルデ・デンボウスキに恋し、失恋した著者の体験がその直接の源泉であり、極論するなら彼女1人のために書かれた弁明と告白書という性格をもつ。それが本書を理解しにくくしているのも事実だが、反面、スタンダールという作家を理解するためには不可欠の「鍵(かぎ)」ともいうべき作品なのである。
[冨永明夫]
『大岡昇平訳『恋愛論』上下(新潮文庫)』
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