恋路島(読み)こいじじま

日本歴史地名大系 「恋路島」の解説

恋路島
こいじじま

月浦つきのうら西方ふくろ北方の八代海に浮かぶ。面積二二五平方メートル。「国誌」に古路島として「古木島トモ云、周廻一里アリト云、蚫多シ、島番ノ賤夫一軒アリ、島中悉ク松山也」とあり、次の伝説を記している。「恋ノ浦ニ塔アリ、島ノ東南ノ岬也、里俗ノ説ニ、天正ノ初肥前龍造寺ト島津ト合戦ノ日、薩ノ軍将河上左京亮、此袋江ヨリ乗船シテ軍艦纜ヲ解ク、河上カ妻妾此所ニ慕ヒ来リ、石ヲ積テ塔トシ、左京カ武運ヲ祈リシ迹ト云、浪際磐石ノ上ニ架シテ大風波濤ニモ崩レス、於今現然タリ、故ニ恋ノ浦ト云、一説永禄・天正ノ間薩兵多ク当国ニ来リ戦テ、於諸所死亡スルモノ甚多シ、其妻妾此所ニ来リ追慕シテ仏事ヲ営ミ、石ヲ拾ヒテ組タル塔也トモ云、是非ヲ不知、此所ヲ塔カ鼻ト云」。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「恋路島」の解説

恋路島

熊本県水俣市、明神崎の東南約0.4kmに位置する安山岩無人島戦国時代、この島に毎日渡って出征した夫の無事を祈りつつ、夫の帰りを待たずに病で亡くなった妻の伝説が残る。

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