普及版 字通 「恬(漢字)」の読み・字形・画数・意味
恬
9画
[字訓] やすらか・しずか
[説文解字]
[その他]
[字形] 形声
声符は舌(ぜつ)。〔説文〕十下に「安らかなり」とし、舌では声が合わないから「甜(てん)の省聲」とするが、おそらくもと(てん)に従う字であろう。〔説文〕三下にを舌を垂れる形とするが、字は席の象。席に安んずる意を恬というのであろう。〔段注〕に篆字を改めて(てん)に作っている。
[訓義]
1. やすらか、やすんずる、おちつく。
2. しずか、おだやか、あっさり。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕恬 シヅカニ・シヅカナリ・ヤスシ・ネガフ・オフ・ホホ・ヲノノク 〔字鏡〕恬 クルル・シヅカニ・カフ・ヲク・シヅカ・シヅム・ヤスシ
[声系]
〔説文〕に舌声とするものに括kuat、活huatと恬dyamの両系あるも、いずれも舌djiatと音系が異なる。括・活の従うところは(かつ)で(けつ)の形に従い、刳(えぐ)り削る意があり、恬の従うところはで、席の象。三系みな声義の異なる字である。
[熟語]
恬安▶・恬逸▶・恬臥▶・恬豁▶・恬簡▶・恬熙▶・恬嬉▶・恬虚▶・恬▶・恬曠▶・恬忽▶・恬如▶・恬静▶・恬性▶・恬然▶・恬怠▶・恬退▶・恬泰▶・恬▶・恬淡▶・恬憺▶・恬澹▶・恬暢▶・恬適▶・恬▶・恬漠▶・恬泊▶・恬謐▶・恬敏▶・恬穆▶・恬愉▶・恬裕▶・恬和▶
[下接語]
安恬・虚恬・神恬・清恬・風恬・養恬
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報